JARLが毎年末に行っている「JARLアイボールミーティング」に、初めて参加してみました。2019年12月5日(木)、東京・麹町のホテルです。
申し込み方法は「JARL総務課へお問い合わせ」ということで、電話するのもお邪魔かと思いメールで問い合わせると、すぐに「案内状を郵送する、参加申込はがきを返送するように」との丁寧なお返事がありました。時々、JARL事務局の対応が悪いという声を聞きますが、私は不愉快な思いをしたことはありません。
さて当日の様子は、JJ1WTL本林さんのブログとHamlife.jpの記事がとても詳しいのでそちらにお任せして、私なりの感想を。
・髙尾会長の挨拶の中に、「今年1年は自然災害が多かった、アマチュア無線はライフラインが寸断された非常災害時には有用で・・・」とのお言葉があり、お、実例が出るか?と思ったのですが、一般論だけで終わってしまったのは残念でした。実際に非常時の通信手段を提供するのはとても難しいので仕方がないのかもしれませんが、今後は、「台風●号の際は、私たちJARLの●●支部が●●市役所と各避難所の連絡手段を提供し・・」と、関係ご来賓の前で我々アマチュア無線家が胸を張れるようになりたいものです。
ちょっと話がそれますが、下記は、今年の9月9日に台風15号に襲われた館山市の市役所が、被災から3日も経った9月12日に流していたTweetです。
【館山市内で電気が来ている場所を教えてください】
館山市内で電気が来ている場所の情報が不足しています。ご存知の電気が来ている場所をおしえていただけませんか。現在、館山市役所正面玄関に設置してあります。その地図に電気が来ている場所を記入してください。お願いします。#館山 #台風15号 pic.twitter.com/o8gmGVhRsp— 館山市役所 (@tateyama_shi) September 12, 2019
私にとっては衝撃なツイートでした。甚大な被害があったとはいえ、被災3日目にして、市役所が、市内の電気が来ている場所が把握できないと叫んでいらっしゃるのです。こういうとき、ハムがひとり、市役所の屋上に上がって市内のハムに呼びかける体制ができていれば、きっと、かなりの情報を集めることができたのではないか、体制といっても、「いざというときは、●●市のハムはXXX.xxMHz付近で情報交換しましょう」と決めておくだけで、非常時にアマチュアが貢献できる可能性はかなり高まるのではないか・・・。
そんなことを考えているうちに、アイボールミーティングはご来賓のご挨拶に進みます。最初の伊東良孝衆議院議員のご挨拶のあと、司会から長谷川岳 総務副大臣が指名されると、長谷川副大臣はとっても恐縮してなかなか上がろうとしません。まだ2期目の長谷川議員が、もう7期やってる小渕優子議員の前に挨拶するのは、議員の間ではあり得ないことだったのかなと邪推しました。
小渕議員と、他のどなたかの挨拶だったか、「ハムフェアで女性と子どもの入場料を無料にしたのはよい」と聞きました。わかりやすい改革なので、受けが良かったようです。小渕議員は、この場でも国会アマチュア無線クラブの復活に言及されていましたが、JARLが積極的に支援できるのではないでしょうか。大塚の事務局に、国会アマクラブ用の無線機を1個置いて差しあげればよいだけで、それをきっかけに議員がJARLをたびたび訪問してくれるようになるかもしれないと思うのですが・・。
総務省の田原電波部長は、「1.9MHz帯」だけではなく「3.5MHz帯の拡大」と明確におっしゃっていました。「記念局での外国人の運用の簡便化」ともおっしゃったような気がするのですが、外国の無線資格を持っている人で日本で開局していない人が日本のアマチュア局をゲスト運用するときは、あらかじめ「総務大臣の登録」が必要という化石のような規定(この告示の第2項第2号)を削除してくれるのかも知れません。「特別な呼出符号」とおっしゃっていたのは、「8J/8N」コールサインの発給条件緩和など、期待して良いのでしょうか?(笑)
ご来賓のご挨拶は約30分続きましたが、それぞれ興味深くまた適度の長さの(笑)お話で、飽きません。7K1KJK 泉田裕彦衆議院議員のご挨拶の後、JAIAの播磨会長の乾杯で「ご歓談の時間」が始まりました。
せっかくの貴重な機会なので、総務省の方などにご挨拶していると、歓談時間が20分くらい経ったところで、大使おふたりの歌が始まってしまいました。音量はBGMレベルではなくかなりの爆音で、隣にいる人の話もかなり聞きづらくなってしまいました。大使にとっても、ごく一部の人しかきちんと聴いていない状況で、気の毒になってしまいました。
さて、ようやく大使の歌が終わったと思ったら、今度は髙尾会長が例の金の蝶ネクタイを着けて登場され、「お楽しみ抽選会」のはじまりです。

ご来賓の方は議員や公務員なのですから、抽選会で仮に賞品が当選しても、業界団体からの贈り物は持って帰れないと思います。そもそも論として考え直した方が良い企画かもしれません。
と感じながら、私は抽選会は気にせず、参加の皆さんと会話していました。アマチュア界に関係する重責の方々と名刺交換できましたが、最大の収穫は、泉田裕彦衆議院議員と直接お話ができたことです。ご挨拶しようと近づいていくと、「あ、同じ7K1!」と先生の方から反応してくださり、ともに「7K1のサンドイッチコール」であるということで、気さくに話をしてくださいました。新潟県知事時代の華麗な記念局オペレートは有名ですし、アイボールの席でも「KJKはCWで打ちやすい!」とおっしゃっていたので、かなり本格的な無線家とお見受けしました。

という次第で、アイボールミーティング初参加を満足して終え、友人たちと2次会に繰り出しました。
この企画、我々ふつうのアマチュアが多くの重要な方々とお話しできるせっかくのチャンスですので、出し物は最小限にして、懇談の時間をもっと長く設けて頂きたいと思いました。
(2019-12-08 記)

[…] 「JARLアイボールミーティング」初参加 […]