一般社団法人の業務執行権を有する理事は、自分がどんな職務を行なったのか、その執行状況を理事会に定期的に報告することになっています(法人法第91条第2項、JARL定款第23条第5項)。
私は、2025年9月の第82回理事会に、JARLの業務執行権を有する常務理事(総務担当)として、以下の職務執行報告書を提出しました。
職務執行報告書(2024年度下期及び2025年度上期)
2024年度下期及び2025年度上期の当職の職務の執行状況は、概要以下のとおりですので、法人法第91条第2項及び定款第23条第5号により報告致します(太字は特に時間と労力を掛けたもの)。
I. 総務関係
- 令和6年11月理事会、12月理事会、令和7年1月臨時理事会、2月理事会、5月役員懇談会、5月理事会、7月理事会の議事への参加
- 総務省パブコメ対応(令和6年版周波数再編アクションプランへのJARL意見原案に修正案を提案(10月))
- 「特定資産」の見直し案の作成と提案(1月臨時理事会、2月理事会)
- 令和7年度事業計画案及び収支予算案の原案作成に関与(2月理事会)
- 令和6年度事業報告及び決算の原案作成に関与(5月理事会)
- 選挙管理会の人数削減案の作成(2月理事会)
- 定時総会の会場の変更(経費節減)を提案(2月理事会関係)
- YOTA Summer Camp(於フランス)への参加者募集の企画立案と参加者への支援(3月~8月)
- QSLビューローに関する署名運動への対応(5月)
- 定時総会後の社員懇談会の企画立案(6月22日)
- QSLビューローの訪問と受託会社との交渉(島根県・8月29日)
II. ハムフェア実行委員会関連
- ハムフェアの予算の在り方(ハムフェア2025における非会員入場料の値上げの見直し等)に関する議案の作成と提案(1月理事会)
- 委員として会議に出席(2月1日、7月1日)、オンライン討議への参加
- 委託業者変更による経費節減の推進(委員長と業者との面談に全て同席等)
- 各種改善の推進(入場券のQRコード化、テーマ別レイアウト等)
- 委員会の体制整備推進(委員2名の正式委員への格上げあっせん等)
- 記念局運用体制構築支援(担当者と業者の引き合わせ、打合せへの同席等)
- メインステージ講演の企画(八木宇田アンテナ)、講演者(東北大名誉教授)の当日の接遇
- 委員会コーナーの企画
- 「何でも相談コーナー」(日曜日午後・2時間)
III. 組織強靱化・コンプライアンス委員会
- 委員長として会議を主宰(11月20日、12月17日、1月22日、2月13日、4月1日)
- 理事会への中間報告(2月理事会)
- オンライン説明会の実施(5月2日、4日、8日)
- 理事会への定款及び規則改正案の提出(5月理事会)
- 定時社員総会への議案提出、準備書面対応、質疑(6月)
IV. 国際問題検討委員会関連
- 委員として会議に参加(4月25日)
- IARU R3によるバンドプラン改革対応(理事会への接続等)
- IARU組織改革対応(理事会への接続等)
- 米国FCCによるパブコメ(AST社の衛星による430MHz帯の利用)対応(理事会への接続、反対意見をARRLに預託)
V. 国際交流ボランティア
- 創設提案(2月理事会)
- ボランティア募集、会議招集、調整等
- ハムフェア2025におけるボランティアとしての活動
VI. 100周年記念事業
- 資金調達及び調達資金の事業化に関する検討に参画
- 「日本におけるアマチュア無線100周年」記念ロゴ及び記念メッセージの普及活動
VII. 地方本部・支部の支援
- 第1回地方本部長・支部長連絡会議の企画立案(2月24日)
- 関東地方本部
(1) 関東総合通信局と関東地方本部の連携強化の支援(監査指導業務等)
(2) 千葉県支部ハムの集いの講演者に関する件(1月)
(3) 東京都支部・埼玉県支部サイエンスセミナー(於東京大学)のオンライン配信(6月) - 関西地方本部
(1) 大阪・関西万博記念局開局プレスリリース(英和)の作成(4月)
(2) 関西アマチュア無線フェスティバル(関ハム)での登壇(7月)
(3) 大阪・関西万博記念局の訪問(7月) - 中国地方本部
(1) 地方本部長(当時)と支部長の対立解消(11月理事会等)
VIII. アマチュア無線継続的発展会議(SD会議)委員としての活動
- 会議の手配、参加(10月7日、12月6日、3月14日)
- 三者連名ストラップ(JARL/JARD/JAIA)作成の手配(ハムフェアにて配布)
- JAIA懇親会への参加による関係構築(5月22日)
IX. 公益財団法人日本無線協会の理事としての活動
- 理事会への参加(2月19日、6月4日)及びJARL理事会への報告
- 懇親会への参加による関係構築(3月6日、6月24日)
X. その他
- FMぱるるん「ビームアンテナ」に出演(4月6日放送)
- FMたんば「むせんのへや」に出演(関ハム会場にて収録、8月1日放送)
以上
感想
- 2024年6月に常務理事(総務担当)を拝命してから1年3ヶ月あまりが経ちました。その前の参与の時期も合わせると、2年あまりの期間、JARLの運営の中枢に関わってきたことになります。あっという間でした。
- 森田会長のもと、JARLは大きく生まれ変わりました。常務理事は、専務理事の役目を複数名で分担するために置かれた役職です。実務的な諸問題を処理し、会長の職務執行を助けることを任務と考えています。
- 私は、特にこれまで放置されてきた難しい問題に、ひとつひとつ誠実に取り組んで来ましたつもりです。そのリストが、この職務執行報告書です。
- JARLは独裁機関ではなく、理事会を執行機関とし、合議で業務執行がなされており、ひとりの考えだけで物事がきまるわけではありません。私の意見が通らないこともしばしばですが、すべて、自分の力量不足と考えています。毎回、学びです。
- JARLのために費やす時間は、あいかわらず毎日2時間~3時間くらい。まるまる一日を費やすこともあります。電車の中、歩いているとき、風呂の中、ベッドの中で、日々考えています。夜中に目が覚め、眠れなくなることも珍しくありません。
- JARLとアマチュア無線界をよくするにはどうしたらよいか、目先の結果に捕らわれず、長期的な視点に立つよう心がけています。将棋で数手先まで手を読むのと、同じです。
- 無線をやる時間は、残念ながら減りました。職場からの帰りがけの駅前QRVよりは、自宅に帰ってからのメール処理、書類作りに時間を使わざるをえません。それだけに、出られるときは思いっきり楽しんでいます。無線はやっぱり楽しいです♪
- 常務理事には報酬は支払われません。旅費交通費も、ほとんどの場合私は放棄しています。日無協の理事も報酬はありません。特筆すべきことでもないです。
- JARLは、ボランティア精神あふれる方々で支えられています。岡田憲治という政治学者が、同じくボランティアで支えられているPTAについて、「——PTAはダメ出しをされません。評価はたった一つ「ありがとう」です」という名言を語っておられます。感謝しかありません。
- ボランティア精神あふれる仲間と共に、アマチュア無線界に尽くすことができている充実感が報酬だと、本気で思っています。

(2025-10-05 記)

私は昨年入会し、初めて開局しました。
アマチュア無線界、JARL会員のために本当にありがとうございます。
連盟の情報透明度が上がり、私のようなものでも気軽に社員総会、理事会、各種委員会の活動状況をホームページ等で確認できるのは本当にありがたいと思います。
後継ビューローの件は、最大の課題の1つだと思います。枚数制限しますので、Q S Lについては維持いただけないかと思っています。むしろ、バンドプラン維持、国際会議でのプレゼンスなどのために喜んで会費程度ですが応援しますので、次の100年を目指して頑張ってまいりましょう。
アマチュア無線界にようこそ!
あたたかいコメントありがとうございます。今の執行部の方針として、組織運営の透明化を掲げています。ビューロー、バンドプラン、国際問題等々、いずれも重要課題と認識しています。JARLの活動についてご要望等ありましたら、ぜひお聞かせください。引き続きJARLに対するご支援をよろしくお願い致します。
いろいろ、QSL問題対策委員会の委員の方に、伝えて頂き、ありがとうございます。
JARL第80回理事会 2025年5月24日(土)の理事会報告は、読ませていただきましたが、それによると、「11月のJARLの理事会で、JARL版電子QSLシステムの実施の判断が行われる」とのこと。
また、「最終的に電子 QSL のインターフェースとしては、今の HQSL に近いような形にはなる」とのこと。
HQSLより、eQSL.cc的の方が、いいようには、思って、読んでおりました。
この点に、ついては、どのように、考えられますでしょうか。
書き込みありがとうございます。JARL版電子QSLについては、理事にもあまり情報が上がってきていません。JARLが一度始めてしまうと簡単には辞められないものですので、私としては、ユーザー目線で使いたくなるものになるかどうか、慎重に見極めたいと思っております。
JARL第83回理事会 2025年11月22日(土)・23日(日)の理事会報告は、読ませていただきましたが、それによると、サーバー型のシステムで作られたモックアップの仕様とのこと。
出席理事からは、費用が高額で実際の開発にいくら掛かるのかという懸念、ハムログhQSLと比較した場合の優位性への疑問、サーバーで保管するQSO数が増えれば費用が増加する不安、電子QSLの意義、サーバー型ではなくクライアント型のシステムを再検討する必要があるなど、さまざまな意見が出た。
「第8号議題 JARL版電子QSLシステムの今後の計画について
審議に基づき、第8号議題のサーバー型のシステムをすすめることについて賛否を諮った
ところ賛成3名、反対 12 名、となり、否決された。」
て、ことは、JARL版電子QSLシステムは、やらないとの事なのでしょうか!?。
議事録に記載の通りです。今のQSL問題対策委員会が検討中の仕様では進めないことになりました。
まさに、進展が無い。
見る限り、費用が掛かり過ぎている気は、しますが、その点の改善案は、無いのでしょうか。
「今のQSL問題対策委員会が検討中の仕様」が駄目なら、それに代わる、案を出さないと、JARL版電子QSLシステムは、出来ないのでは、無いでしょうか。
それとも、この後、QSL問題対策委員会は、紙に、一本化する方向なのでしょうか。
今回の決議から行くと、駄目だから、紙に、一本化と読めてしまう。
別の良い案があるのでしょうか!?。
今回の理事会では、まずは委員会の提案について結論を出しましたが、今後についてもいろいろな意見が出ました。JARLは独裁ではないので、いろいろな方のご意見を踏まえながら進めています。
ちなみに、JARLメールマガジン第477号(2025年12月05日号)によると、「JARL版電子QSLシステムの開発は中止」と掲載されている。
て、ことなのでしょうか!?。
はい、議論の結果そうなりました。