裁判所の会計帳簿開示命令に従わず、JARLの違法は続く

仮処分の「執行力」

東京地方裁判所がJARLに対し会計帳簿の開示を命令した2020年6月8日(月)から、今日12日(金)でまる4日が経ちました。未だに会計帳簿は開示されません。

ところで、「今回の裁判所の命令は『仮』なんだから従わなくてもいいんでしょ?」「まだ地裁でしょ?高等裁判所と最高裁判所があるんだから、今はまだ従わなくてもいいんでしょ?」と、誤解されている方もいらっしゃるかも知れません。髙尾会長、日野岳専務理事、事務局ほかJARL執行部も、そう思っている節がありますし、誰かにそう説明しているかも知れません。

ちがいますからね。

以下、少し専門的な法律の説明になります。

「仮処分決定」は、普通の「判決」とは違い、下された瞬間に効力が生じ、被申立人は直ちに従わなければ違法になります。この効力を「執行力」といいます。

仮処分決定の執行力をなくすためには、「保全異議」を申し立てるとともに、「保全執行の停止」を申し立て、裁判所に認めてもらわなければなりません。ところが、この「保全執行の停止」は、「仮処分命令が明らかに間違っていること」と「あとから償うことができない損害が生じること」という、とてもとても高いハードルを乗り越えないといけないことになっています(民事保全法第27条)。このハードルは、経験上、まず乗り越えられません。JARLの代理人弁護士も分かっていると思います。

「うわ、そんなキツい命令、あっていいのかよ?」と思われるかも知れません。だからこそ、こちらは「10万円」の保証金を積まされてるんです!

本日、裁判所より、JARLが「保全異議」を申し立てたとの連絡がありました(申立書を受け取っていないので、内容はわかりません。)。ただし、保全異議を申し立てても、仮処分決定の「執行力」は失われておらず、「裁判所の開示命令に従わなければ違法」という状態に、変わりはないのです。

間接強制(制裁金の支払い命令)

JARL側が違法状態を改めず、会計帳簿を開示しないので、次の対抗策に進みました。

本日(6月12日)、社員16名は、東京地方裁判所に「間接強制の申し立て」を行いました。これは、裁判所からJARLに対し、「会計帳簿を開示するまで、1日あたり●●円の制裁金を社員16名に支払え」と命じてもらうための申立てです。もちろん、社員16名は、別にお金がほしくてこの申立てを行う訳ではありません。JARL執行部に、違法状態を改めて欲しい一心で、この申立てを行ったのです。

制裁金の金額は裁判所が決めますが、当方は、「制裁金の金額は、1日あたり148,787円を希望する」としました。この金額は何でしょうか?6月28日の社員総会で承認にかけられる2019年度決算の赤字額「54,307,468円」を365日で割った金額です。

「JARL執行部が会計帳簿を開示しないと、JARLの正常化が遅れ、1日あたり148,787円の赤字がまた積み重なっていく。そのことを自覚してほしい。」そういう思いを、この金額に込めました。

JARLの引き延ばし作戦への対抗策

「JARLが引き延ばし作戦をとって、6月28日の社員総会を過ぎると、今の申立人は社員ではなくなるのでは?」といったご質問を受けました。心配ありません。対策は複数用意してあります。ひとつの有効な対策は、6月29日以降の新しい社員が、また必要人数集まって、改めて会計帳簿閲覧請求の申立てを行うことです。なので、JARLの引き延ばし作戦は意味がないのです。

この記事をご覧になっている、6月29日以降の社員のみなさん、会計帳簿閲覧請求に参加されませんか?ご希望の方は、このサイトの連絡窓口からご連絡ください。私 7K1BIB山内は、もちろん、こんどは代理人としてではなく社員として、この請求に参加します。

さらに有効な対策もあります。6月28日の社員総会とその後の理事会が、法を遵守し裁判所の命令に従う方を、会長に選ぶことです。次の会長は、裁判所の命令に従い、保全異議を取り下げ、会計帳簿を開示してくださることでしょう。現役社員の皆様、よく考えて、議決権を行使して下さることを切に願います。

(2020-06-12 記)

7件のコメント

  1. 不正を追及するのは非常に大切ですが、信念を持って行っていることを多くの方に知っていただくという事も必要です。私にはその能力は有りませんが、広報の達人を探し出し、より多くの方に現実を知ってもらうことも検討されたらいかがでしょう?
    少なくともHAMLIFE.JPと連絡を取って、バイアスのかかっていない情報を公報していただくようにしたら、と思いました。

    • 実は、Hamlife.jpさんには、選挙異議の件も仮処分の件も情報提供しているのですが、反応をいただけません。きっと、記者魂が鬱々とされていることでしょう。気の毒です。

  2. JARLの幹部の皆さんは日本が法治国家であることをご存知ないのでしょうか。現会長は、確か大学の事務方をやっておられたと思うので、先刻ご承知と思うのですが。

    • どういう理解でこのような対応を取ってきているのか分かりません。何か秘策があるのか?といろいろ考えているのですが思いつかないです。

      • おっしゃる通り、どういう理解をしているんでしょうか。ひょっとすると、仮処分など通るはずがないと高を括るっていたか。見苦しい振る舞いはおやめなさいと言いたくなりますが、見苦しいとも思っていないのでしょうね。

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