上信越高原国立公園で移動運用(POTAと初SOTA)

万座温泉

大型連休の家族旅行で万座温泉に行ってきました。近くにPOTA公園ないかな・・・と思って調べると、万座温泉から渋峠、横手山あたりまですっぽりとJA-0012「上信越高原国立公園」に含まれています。この公園、でかいです。

MyACT(https://myact.sotalive.net/)より。
JL1NIEさん素晴らしいサイトをありがとうございます。

長野県下高井郡山ノ内町移動

2023年5月4日朝、快晴。宿泊していた万座温泉の宿を後にし、国道292号線を北上し、運用場所を探します。道すがら、展望台が何カ所かあるのですが、観光客でごった返していて無線運用どころか駐車スペースも空いていません。

途中、舗装されていないスペースで2mの八木をでっかく上げている方を発見!うらやましく思いながら通り過ぎます。

Googleマップより引用

国道最高地点をすぎ、渋峠に着くと「長野県山ノ内町」の標識が。そうか、「山ノ内町から山内がオンエア」もネタになるか(笑)と思い、長野県側に入っていくことにします。

渋峠をすぎて2つ目の展望台にようやく駐車スペースを見つけ、433.18MHzが空いていることを確認。POTA SpotとTwitterでアナウンス。

CQ前に最後のチャンネルチェックをすると・・・Twitterを見て追ってこられた板橋区のおなじみ局からいきなりコール(笑)。その後CQを出すと、0エリア局を中心に、順調に30分ほどで12局と交信でき、JA-0012のアクティベート要件(最低10QSO)をあっという間に確保。

この日は、第37回 6mAMコンテストの開催日でした。RHM12を立て、28MHzをぐるぐると回しますがSSBすら入感しません。AMでCQを出しますがボウズ。6mにQSYしますがこちらでもQSO不成立。

気を取り直して7.041MHz/FT8にQSYすると・・ガンガン呼ばれます。10分ほどで15局!無線遊びは相手があって成立するものと改めて認識します。

さて、ここで昼過ぎ。一度宿に帰らないといけません。QRTするつもりで片付けをしていると、つけっぱなしの430メインでCQが聞こえます。3.04にQSYすると、なんと安曇野の山の上からSOTA運用中のJJ1WTL/0局。CICで超有名な本林さんじゃないですか。お互い旅先で出会う偶然に喜びます。

後にわかったことですが、この日の本林さんによる運用が、黒沢山の史上初アクティベートだったそうです。大変苦労された模様。ぜひ、本林さんのブログ記事をお読みください。

JA/NN-063(2023年05月05日) https://jj1wtl.seesaa.net/article/499243194.html

横手山(群馬県吾妻郡中之条町)移動

さて、宿に戻って家族と合流し、再び渋峠を通過。「日本最古の動く歩道」スカイレールとリフトを乗り継いで、「リフトで上がれる日本一標高の高い山」横手山を目指します。

お手軽に2307mに到着。とっても広い山頂です。人気のないはしっこの方から、初のSOTA(Summits On The Air)に挑戦です。

1局目は地元安曇野市から、2局目はおなじみ局が船橋から、3局目は午前中にもQSO頂いた0エリアの局がモービル移動から。そして4局目は、なんと1990年7月以来33年ぶりの交信とおっしゃるではないですか。印象深いQSOが続きます。

自宅帰宅後に当時のログ帳をチェック。1990年7月7日9時45分、
確かに静岡県田方郡天城高原に移動されている同局と、432.76MHzでQSOしていた。

横手山からSOTAのポイント要件である4QSOを達成、QRMもあったのでQRTしようとすると、かすかに「秋田からです~」のコールが。ぇ?えええ?一か八か「秋田局3.22にQSY!」と叫び、433.22にQSYして周波数が空いていることを確認、秋田局を呼び出すと、山本郡八峰町移動のJE7HOU/7局からコールバックが!51-51でQSOが成立!ツイートも頂きました。

HOU局は標高150mくらいのところから運用されていたそうです。ハンディ機5Wホイップで400km超えでした。

群馬県吾妻郡嬬恋村移動

さて、宿にもどり、ログを整理。さっそく、ADIFファイルを「ファイル変換ツールfor SOTA/JAFF/POTA」で作成して(ここでもJL1NIEさんのお世話に)、POTAのサイトにログをアップ。複数県にまたがる公園の場合、県ごとに分けてアップすることになります。

すると、上信越高原国立公園の長野県側では28QSOでアクティベートできていますが、群馬県側では横手山からの6QSOしかなく、「10QSO」というPOTAアクティベートの要件を満たせていないことが気になり始めます。

車は宿の前の駐車場に止めてあります。万座温泉は谷間にありますが、7MHz/FT8ならコールしてもらえるかも・・・。そう思うと居ても立ってもいられず、散歩と称して部屋を抜け出します。

満月が輝く星空のもと駐車場に向かい、ごぞごぞとRHM12+IC-705をセット。POTAサイトにセルフスポットし、7041kHz/FT8でCQを出すと、続々とコールが!ありがたいことに、POTA界隈でおなじみのコールサインが画面に並び、アクティベートを助けてくれます。たった20分で18QSOでき、群馬県側でも活性化達成。

満足してひと風呂浴び、部屋に戻ると、家族も風呂に行ったようで誰もいません。そして、板橋区のおなじみ局、JJ1HHJ局から「悪魔のささやき」が(笑)。

いや、万座温泉、谷間ですよ?しかも部屋は2階よ?ダイヤルぐるぐる回しても誰も聞こえないよ?万座温泉にたまたまハムが泊まってたらできるかもしれないけど、群馬の谷間から東京板橋は無理でしょ・・・。

自問自答しながら、ネタのつもりでID-51P2に90cmのロッドアンテナをセット。窓の隙間から手を延ばし、月に向かって?CQを出してみます。

433.08には東京側でQRMがあるという連絡がTweetであり、433.12にQSYして互いに声を出し合っていると・・・え????HHJ?なんか聞こえる???ウソでしょ?アンテナの角度を調整すると、ナナメ45度くらいでいつものHHJ局の声がくっきりと入感!!51-41でQSO成立!

当方は万座温泉、谷間のホテルの2階。窓からこんな感じにID-51+GNR-2172P(RH770同等)を出して5W運用。確かに南向きの窓ですが、ここからどうやって板橋区まで飛んでいったのでしょう?

部屋の窓の外、真正面には昼間なら「万座空吹」という岩山が見えます。確かにパラボラっぽく反射はしそうです。

万座温泉から板橋区までは150km弱。ハンディ機5Wの電波はどこかで反射か回折して、板橋まで届いていったのでしょうか。

各局から頂いた情報では、反射か山岳回折か、やはり群馬と東京にはパスがあるという話もあり、電波の不思議をあらためて実感しました。

これで、群馬側でも25QSO。JA-0012 上信越高原国立公園の群馬側も、十分にアクティベート達成できました。

感想

今回は家族旅行でもあり、軽装備に留めましたが、TwitterやPOTAを絡めて、これだけ無線遊びを楽しむことができました。現代ハムにとって、インターネットは敵ではありません。ネットを軽やかに利用することで、アマチュア無線の楽しみは何倍にも増えていきます。

そして、QSOは相手があってこそ成立するものです。今回も、お相手くださった各局、大変ありがとうございました。

(2023-05-07 記)

2件のコメント

  1. 横手山は抜群に飛びます。30年くらい前の話ですが、144FMでAJDが出来た方もいます。
    次回は運用しても良いかヒュッテの方に事前に確認してみて下さい。簡単なビームを上げれば1/7/9/0は十分QSO出来ます。ヒュッテのパンも美味しい、と評判です。

    • IAAさん、貴重な情報をありがとうございます。AJDはすごいですね。横手山は気軽に登れますし、次回はもっと時間をかけて運用してみたいと思います!

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