JARL選挙で私が応援したい方々(選挙所信その4)

昨年(2019年)6月の社員総会前から私がJARLの諸問題に関わる過程で集めた情報を元に、山内個人が支援したい候補者・支援できない候補者について、ホンネで書いたものです。あくまで私の個人的な意見(私見)ですので、その前提でお読み下さい。客観的な情報を集めた別稿「JARL選挙候補者詳細情報(2020年)」も合わせてご覧頂けましたら幸いです。

 

【理事総論】

すでに「2020年JARL選挙情報」サイトが赤裸々に明らかにしているように、現職の理事17名の最近の行動は、「8名」対「1名+7名」(1名は常時欠席)でくっきりと対立しています。つまり、

「高尾会長に近い理事」 対 「有識者=総務省OB」+「改革派理事」

という構造です。

今回の選挙に出馬された方を、上記の対立構造に大胆に当てはめると、以下のようになります(敬称略)。

2020年3月23日に、髙尾会長に近い理事候補者で構成された「JARL会員ファーストの会」が立ち上がっていることが確認され、対立構造がより明確になりましたので、赤字部分を修正しました。(2020-03-24 追記)

 

髙尾会長
に近い
「JARL会員
ファーストの会」

有識者改革派/
改革集団
不明・
その他




JA6HUG中村
(九州)
JA5SUD森田
(四国)
JA7AJH尾形
(東北)
JH8HLU正村
(北海道)
JF0JYR髙橋
(信越)

 JA2HDE木村
(東海)
JR3QHQ田中
(関西)
JA6HUG中村
(九州)
JA9BOH前川
(北陸)
JA5SUD森田
(四国)
全国JG1KTC髙尾
JA8DKJ三井
JH1NLL安部
JI1DWB大矢JG2GFX種村
JA1NVF吉沼
JH3GXF安孫子
JA8LJF佐々木
JH1NLL安部
関東JH1LWP島田  JH1XUP前田
中国JE4WWK金子 JA4DLF綱島JH4GQC高路
JH4NMT松田

別稿「JARL選挙は何を選ぶのか」でも書きましたとおり、無投票当選された方も、これで「理事に決まり」ではありません。あくまで「理事候補者」であって、6月の社員総会で否認される(理事に選任されない)可能性があることにご留意下さい。

JA6HUG中村氏(現福岡県支部長)は新人で、今の理事会での投票行動からお考えを推測することができません。高尾会長の本年1月12日のブログ記事「JARL福岡県支部賀詞交換会に出席」に、「JA6HUG 中村支部長からは今後の方針や決意があり,驚き感銘・共感いたしました.ご出席の皆様.お力添えのほどよろしくお願いいたします.」と書かれているので、高尾会長に近い方の可能性がありますが、中村氏ご本人の言ではないので、ここではとりあえず不明としておきますJA6UUG中村氏については、一縷の望みを託してこのように書いたのですが、残念ながら「JARL会員ファーストの会」のメンバーですので、髙尾氏に近い位置づけに移しました。

逆に、JA5SUD森田氏(四国)は、理事会では髙尾氏と投票行動が一致していますが、「JARL会員ファーストの会」には参加していません。これが、何らかのお考えの変化を示すものかは不明ですが、一応「不明・その他」に移しました。髙尾氏に近い方たちの間にも濃淡があるようです。(2020-03-24 追記)

【全国理事】

全国理事は、5名の定員に対し8名が出馬されました。

JG1KTC髙尾義則氏(現職)は、組織票をもって今回も当選されるでしょう。私は、髙尾氏が熱心に無線運用をされていること、(その中身はともかく)いくつかのイベントを復活させたことについては率直に評価申し上げますが、大矢理事、改革派/改革集団の理事のご提案をことごとく否決されるなど、他人の進言をあまりお聞きにならない点において、組織のリーダーとしては、支持申し上げることはできません。

有識者(総務省OB)であるJI1DWB大矢浩氏(現推薦理事)は、今回は理事会(実質は高尾会長)の推薦を受けず、多くの方の支持・推薦を受けて選挙に出馬されました。この意味を、有権者である我々はよく考える必要があると思います。その知識経験、お人柄ともに、大矢理事は、今のJARLになくてはならない方であり、私は強く支持申し上げます。大矢氏がどれくらい票を取られるかが、今後のJARLの行く末を占う重要な指標になると考えられます。

改革派/改革集団のメンバーであるJG2GFX種村一郎氏(現職)、JA1NVF吉沼勝美氏(現職)、JH3GXF安孫子達氏(現職)は、すでに無投票当選を決めているJA2HDE木村時政氏(現職)、JR3QHQ田中透氏(現職)とともに、JARLの現状を憂い、JARLを真にアマチュア無線界のために役に立つ組織に改革すべく立ち上がった方々です。私は、昨年の社員総会以来親しくさせていただいていますが、アマチュア無線に対する熱意、そのお人柄ともに素晴らしい方々であり、私は、JG2GFX種村氏、JA1NVF吉沼氏、JH3GXF安孫子氏を強く支持申し上げます。

もし、改革派/改革集団を支持したいが、3人のどなたに入れればよいかお困りの方は、あくまで例えばですが、ご自身のコールサインのテールレターがABCDEFGHIの方は吉沼氏に、JKLMNOPQRの方は種村氏に、STUVWXYZの方は安孫子氏に投票されてはいかがでしょうか。

なお、JA8DKJ三井武氏(新人)は、理事候補としては新人ですが、昨年の社員総会で、髙尾会長の指名を受けて議長を務めていますので、髙尾氏に近いことは間違いありません。別項「2019年JARL社員総会における議長団の議事進行を検証する」に書いたとおり、昨年の議事進行に私は多大な疑問を持っていますので、三井氏は支持できません。[三井氏の所信と原氏の応援文書に複数の間違いがあるとJE8KQR大國秀夫氏が指摘していますのでリンクしておきます。「選挙応援は正確な記述を」(2020-03-22 追記)]

同じく北海道から出馬されているJA8LJF佐々木淳一氏(新人)、現栃木県支部長のJH1NLL安部慈孝氏(新人)については、情報が不足していますのでコメントを差し控えます。

現栃木県支部長のJH1NLL安部慈孝氏(新人)については、「JARL会員ファーストの会」のメンバーに名を連ねていらっしゃることから、髙尾氏に近い位置づけに移しました。(2020-3-24 追記)

【関東理事】

現職のJH1LWP島田守康氏と元職のJH1XUP前田吉実氏の一騎打ちとなりました。島田氏は、理事会では髙尾会長と行動を共にされています。前田氏は、現在は改革派/改革集団からは離れています。これ以上はコメントを差し控えます。 (前田氏から有権者の方々に直接送られたメールに、私のブログ記事が貼り付けられていたことがあるようですが、私は同氏に、私の記事を貼り付けることを依頼したことも許諾したこともありません。私は、大量のメールやハガキを有権者の方々に送るタイプの選挙活動は行っていませんので、ご理解の程よろしくお願いいたします。)(2020-03-28 追記)

【中国理事】

JA4DLF綱島俊昭氏(現職)は元自衛官で、今は出身地である津山市で飲食店を営んでいます。昨年10月には地元で「令和元年度JARL中国地方ハムの集い」を成功させました。正義感に満ちあふれる熱血漢で、改革派/改革集団に属し、その選挙公約「JARL6策」を起草した行動派です。私は、綱島氏を強く支持しています。

JE4WWK金子由次氏(新人)は現島根県支部長で、髙尾会長に近いといわれる山口・鳥取の各支部長の支援を受けて中国理事に鞍替えして来ました。なお、中間発表の時点では、金子氏ではなく、現岡山県支部長のJH4TYE平野耕平氏が立候補していました。平野氏は、長年岡山県支部長を務めた人望のある方で、綱島氏との親交も深かったことから、島根・山口・鳥取の3支部長の支援を受けて中国理事に立候補したことに驚きの声が上がりましたが、立候補締切までに、中国理事への立候補を辞退したばかりでなく、岡山県支部長の職まで辞任されたいということで、JARL事務局に辞任届を出されてしまいました。ご本人はあくまで「体調不良が理由」と恐縮されていますが、一部には髙尾陣営との確執があったと伝えられています。

金子氏は「JARL会員ファーストの会」のサイトに登場しており、髙尾氏の支援を受けていることが明確になりました。金子氏のJARL公式選挙公報には誤解を招く記載があります。「中国5県、岡山・山口・鳥取各県支部長のご推挙をいただき」とありますが、実際には島根、山口の各支部長2名しか支持しておらず、岡山支部長は金子氏を支持していません。「中国5県、」と付け加えているのはどういう意味でしょうか。5県から推挙を受けているように見え、誤解を招くと思います。また、綱島氏の運営を批判し「多額の繰越金までも使い込みゼロに近い状況」と書いていますが、実際は綱島氏の前任の本部長がイベントを何もせず繰越金が貯まっていたので「中国地方ハムの集い」に活用したというものであり、「次年度の事業に大きな影響が出ることが懸念」という部分も、次年度の中国地方本部への交付金はきちんと予算化されており、何の問題も生じていません。なお、金子氏の選挙応援ハガキは、なぜか、会員名簿に掲載されていない他県の会員にも届いているとの情報があります。どこから情報を入手されたのでしょうか。(2020-03-28 追記)

JH4NMT松田佳之氏(新人)は、過去4期中国社員を務めた経験者で、今回は鞍替えし中国理事に挑みます。JH4GQC高路勲氏(新人)はJARL本部での役職経験がなく、選挙自体に初挑戦です。岡山県出身の綱島氏に対し「中国地方本部を広島に置く」ことを公約としています。

以上のとおり、中国理事は、現職理事に3人の新人が挑む激戦区となりました。特に、改革派/改革集団と髙尾会長陣営の票争いは熾烈になることが予想され、今後のJARLの行く末を占う選挙区といえそうです。

【関東社員】

改革派/改革集団のメンバーは、JI1RKA板橋直樹氏(新人)、私・7K1BIB山内貴博(新人)、JL1HHN安田晃央氏(現職)の3名です。

改革派/改革集団には属されていませんが、電子QSL・宇宙通信のエキスパートでいらっしゃるJH4PHW坂井志郎氏(現職)と、アマチュア無線に関するデータ職人・JJ1WTL本林良太氏(現職)は、私の友人であり、今後のJARLにとってなくてはならない方々です。加えて、Twitter上でよく意見交換をし、考え方がよく一致するJJ2JQF中田茂樹氏(新人)と、素晴らしいローカル仲間であり、次世代ハムを育てる活動を積極的に行っている(CQ誌2019年9月号108頁をご覧下さい)JI1XKH増田浩氏(元職)の名前を挙げておきます。

自分が出馬している選挙区ですのでコメントが難しいのですが、私は、これらの皆さんとともに、JARLをよくするために、社員として「一緒に仕事をしたい」と強く願っています。

その他の候補者について、気になる点を五月雨式に上げておきます。

  • JE1FVX田島喜樹氏(現職)のブログに、昨年の社員総会について、「理事を解任すべき理由が多くの社員が納得できる内容ではないため、反対多数で否決されました。」「真にJARLとその会員のことを考えた提案とは到底思えません。」との記載がありました。昨年の社員総会に提出された社員提案権行使書はこちらにあり、髙尾氏らの反論文に対する有志の見解を記載した準備書面はこちらにありますが、どういう意味で「納得できる内容ではない」のか、具体的に指摘していただきたいと思いました。
  • JA1STY鈴木清氏(現職)は、昨年(2019年)の社員総会の議長を務められた方であり、髙尾氏ととても近い方です。議長としての議事進行の分析を、こちらの記事(「2019年JARL社員総会における議長団の議事進行を検証する」)に書きました。私は、鈴木氏を支持できません。
  • JG1RNL比嘉隆太氏(現職)は、改革派に属するJI1RKA板橋氏(新人)と同じ31歳で、前回はかなりの票を集められました。髙尾会長が自ら委員長を務める「会員増強組織強化委員会」のメンバーですが、髙尾氏とどのくらいお考えが近いのかはよくわかりません。

【東海社員】

この選挙区に出馬している改革派/改革集団メンバーは、JJ2JIX後藤直氏(現職)、JO2MLC村井千鶴氏(現職)、JH2DFJ岩田泰典氏(現職)、JN2OFP山田剛士氏(現職)の4人です。東海地方は全体としてまとまりが良く、「それ面白いからやってみよう」という雰囲気にあふれているそうで、うらやましいです。ご支援をよろしくお願いいたします。

【関西社員】

この選挙区には、改革派/改革集団メンバーが8人います。JG3QZN田中一吉氏(現職)、JH3GFA平田淳一氏(現職)、JA3HBF田原廣氏(現職)、JK3IJQ大東治宜氏(現職)、JH3IJY武市章和氏(現職)、JO3NEA辻孔明氏(新人)、JL3JRY屋田純喜氏(現職)、JA3WDL井村厚氏(現職)です。関西のノリでとっても楽しそうに、関ハムといった大きなイベントを実現させてしまうすごい集団です。ご支援をよろしくお願いいたします。

【兵庫県支部長】

JG3CCD石本みなこ氏(新人)と、JF1RPZ出田洋氏(新人)の一騎打ちになりました。JF1RPZ出田氏とは、個人的にとても親しくさせていただいます。ARDFとデジタルモードに詳しく、DXやコンテストにもアクティブで温厚な人格者です。私は、出田氏を支持申し上げます。

【中国社員】

JJ4QKY河村博氏(現職)が、改革派/改革集団メンバーです。中国地方本部のコンテスト委員、島根県支部の役員をされています。ご支援をよろしくお願いいたします。

【東北社員】

残念ながらこの選挙区には改革派/改革集団のメンバーはいませんが、個人的に、JA7BCE市川盛次氏(元職)が、財政の健全化と幽霊正員問題についての具体的なご意見をブログに表明されているのを拝読して、共感できるものを感じました。

【山形県支部長】

情報がありませんので、現時点ではコメントを差し控えます。

【北海道社員】

JE8KQR大國秀夫氏(現職)が、改革派/改革集団メンバーです。北の熱い漢ですね。ご支援をよろしくお願い致します。

その他の候補者について、気になる点を五月雨式に上げておきます。

  • JM8IOR髙木伸一氏(現職)は、髙尾会長と原副会長の推薦を受けていることをブログで公表されています。
  • JL8LGW船水明氏(新人)は、ブログに「このままでは10年持たないぞという危機感を感じています」等とお書きになっており、改革派と考え方が近そうです。

【信越社員】

情報がございませんので、現時点ではコメントを差し控えます。信越は従来より、長野と新潟が2席ずつ分け合ってきました。長野から出馬されているおふたりについては、いずれの方も推薦できるとの声を聞きました。新潟からは3人の出馬ですが、そのうちJH0LDT島峯幸寿氏は、選挙公報に「信越地方本部役員(会計幹事事務局)4年間」とあるように、髙尾氏を支持するJF0JYR高橋哲也氏(現・信越本部長・理事。JARL会員ファーストの会メンバー)との距離が非常に近いようです。(2020-03-28 追記)

 

まとめ

私の立候補に当っての所信の末尾に、

以上、すみません長々と、私の「思い」を読んで下さりありがとうございました。ここまで読んで下さった皆様は、「それはいいけど、BIBが当選したところで所詮は、一社員。どうやってJARLは変わるのか?」と思われたかも知れません。そうした点については、今回のJARL選挙への立候補者がすべて出そろったのちに、別項を立ててお話ししたいと思います。

と書きました。その「別項」は、この記事です。JARLは大きな組織であり、ひとりで動かすことはできません。私は、この記事で推薦申し上げた候補者の方々とともに、力を合わせて、JARLを良くするための仕事がしたいのです。推薦申し上げた候補者の方々に対し、JARL会員の皆様から一人でも多くのご支援をいただくことができれば、皆様の意見を伺いながら、JARLを、真にアマチュア無線・無線趣味のために役に立つ組織に変えて行くことができる、私はそう信じています。

以上につき、誤り、不適切な記載等ございましたら、どうぞご指摘下さい。また、自薦・他薦を問わず、素晴らしい候補者がいらっしゃいましたら、どうぞお知らせ下さい。

(2020-03-21 記)

三井氏の所信と原氏の応援文書に間違いがあるとの青字記載を追記
(2020-03-22 追記)

「JARL会員ファーストの会」のサイト公表に伴う赤字記載を追記
(2020-3-24 追記)

「JARL会員ファーストの会」のサイト、JARLの公式選挙公報、その他の情報をもとに赤太字部分を追記(2020-03-28 追記)

注)ブログ記事等において個人名を挙げることについて、名誉毀損に当るのではないかとのご心配を頂くことがあります。ですが、①摘示した事実が公共の利害に関する事実であり(公共性)、②事実を摘示した目的がもっぱら公益を図ることにあり(公益性)、さらに③摘示した事実が真実であるか(真実性)、または真実であると信ずるについて相当な理由があれば(真実相当性)、名誉毀損は成立しません(真実性の抗弁・相当性の抗弁)。
 過去のJARL選挙の投票率は、概ね30%程度、投票率が高い選挙でも50%未満のようです。投票率が低いのは、各候補者に関する情報が、有権者であるJARL会員にあまり共有されておらず、誰に投票して良いか分からない状況にあるからに違いありません。私は、有権者であるJARL正員のうちできるだけ多くの方が、たった9cm✕9cmの選挙公報や根拠のない噂、「聞いたことある名前だ」「このコールサインと交信したことがある」といった感覚「だけ」ではなく、より多くの根拠ある情報に基づいて、棄権することなく選挙権を行使されることが、必ずや、JARLという組織を良い方向に導いてくれると信じています。また、私が文章を書くにあたっては、リンクを多用し、できるだけ多くの根拠を示すよう努力しています(そのため、長くなりがちです。すみません・・)。
 私は、上記3要件を満たすように細心の注意を払って文章を書いているつもりですが、万が一、その方針に外れるような記載がありましたら、どうぞご指摘いただけましたら幸いです。

4件のコメント

  1. 非常にわかりやすく書いて頂き感謝申し上げます.
    状況把握に努めておりましたが,再確認できました.
    大矢さんの票が伸びることを期待しておりますが,現職の改革派理事さんの再選も重要です.
    票がうまくバラける必要がありますから,判断に困っておられる方への提案はグッドアイデアですね.
    是非よい結果につながりますよう,皆さまのご健闘を祈ります.
    JK1KSB 奥村

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