関西ハムシンポ参加(髙尾会長のご講演拝聴)

2023年3月19日(日)開催の「関西アマチュア無線シンポジウム2023」に一般参加して参りました。JARL大阪府支部と兵庫県支部合同のイベントです。3年ぶりの開催とのこと。私にとっては初参加でした。

ブース巡り

午前中はクラブブース・販売ブース巡り。ICOMブースでは、昨年IC-705に搭載されたDVレピータモニター機能(遠方のレピータの音声を聞ける機能)が、近日中にIC-9700にも搭載されるとのアナウンスがありました。これは楽しみです。

(ICOM説明員の方のご承諾を得て掲載)

レストアできそうな古い無線機に食指が伸びるも我慢し、IC-705に使えそうな1.4mのロッドアンテナを購入。

DXCCフィールドチェックをされていたボランティアの方のお話はとても勉強になりました(私は現在MIXで99。まだまだです。)。

立食パーティ

昼食は立食パーティに参加(この部分は参加費2500円)。参加者は70名を超えたそうで大盛況です。食事は和洋中華揃っていてとてもおいしかったのですが、経費節減のため、ケータリング業者に頼まず、実行委員の方が自分で店に足を運び調達されたとのこと。ありがたいことです。

Masacoさんの歌を聴きながら、高ア連(全国高校アマチュア無線連盟・全国高文連アマチュア無線専門部設立準備会)の先生のお話を拝聴。勤務校だけでなく全国の高校生の活動を支援されているご尽力に頭が下がります。次回の高校コンテストでは、頑張ってCQを出している学生さんたちに、もっともっとお声がけしようと思いました(JARLも、高校コンテストへの参加を呼びかけて応援すればよい。それが真のWAKAMONO支援ではないでしょうか。)。

JG1KTC髙尾会長のご講演

午後は髙尾氏のご講演を拝聴。タイトルはいつもの「JARLの現状と取り組み」でしたが、他の会場では30分なのに、今回は1時間30分もあります。質問タイムもあると聞きました。最近のJARLの業務運営に対する疑問・要望をたくさん聞いています。それを会長にぶつけることは、JARL社員の責務と考えて参加しました。

聴衆は40名ほど。

会長の自己紹介

移動運用一筋、以前はコンテスターだった、セスナ機からの運用、会長就任の翌年に大学医学部事務職を早期退職された等、だいたい以前伺った内容と同じ。移動運用の写真で「この写真ではステーは張っていませんが皆さんはステーをとってください。」と。

ここまでで約15分。

最近の取り組みのご紹介

昨年の社員総会で専務理事が専任されなかったので、専務理事の業務もカバーし、毎日JARLに出勤している。「無報酬」だが定期代はいただいている。
【注:一昨年の会計帳簿開示で、以前から定期代が出ていたことが発覚しています。】

JARLは潰れるよという声を聞くが、総会員数は2021年も2022年も増加。今年度は、正員は増えているが准員は減る見込み。
【注:「局免なし正員」の洗い出しにより「局免なし准員」が大幅に増加し1万人を超え、これが総会員数を押し上げています。】

会員の年齢構成。平均は65歳に近い64歳。「50代以下は若手」。

内部留保は「8億円」ある。サービスを落とさずにJARLを運営している。

昨年はハムフェアを開催できた。いろいろな意見、中には、感染したら会長が責任をとるのか!という意見まであった。昨年の出展者数は例年の7割。収支バランスを、いろいろ委員会で検討している。
【注:2023年の出展費大幅値上げには触れず。】

アマチュア無線がメディアに取り上げられた。NHKのニュースで、高層マンション居住者の取材があったときには私が立ち会った。
【注:紹介されたのは会長がかかわった報道ばかり。それ以外の報道もたくさんあり、私もできるだけTweetしていますが、JARL Web等で紹介すればよいのにと思います。ARRLのメルマガには「Amateur Radio in the News」というコーナーがあります。】

昨年パブコメにかかった法改正について、総務省のパワポのコピーを使って簡単に説明。申請書はチェックをひとつつければよくなる、簡単になる等。
【注:いやいや、申請書が簡単になった=「一括記載コードの拡充」の意味がわかってらっしゃるのでしょうか。技適機種なら、購入後「遅滞なく届出」だけで、総通の審査を待たずに使い始めてよいことになるケースが大幅に増える、ということが、我々にとっての大きなメリットなのですが。】

今週中、24日までには官報に掲載されると思う。
【これは貴重な情報。しかし、官報掲載までに、JARLの広報は間に合うのか。→後に質問】

ここまでで約1時間経過・・。

会長になってからの取り組み

最近の取り組みのお話が終わり、いよいよ質問タイムかと思いきや、いつもの「会長になってからの取り組み」のお話が始まり、「質問はないのか」とのどよめき。内容は「職員へのマナー講座」「門標板の復活」「各種保険の宣伝」等。「カプセルモールスキー」のお話。5個持ってきたのでのちほどじゃんけんをしますと。

という次第で、ご自身のお話だけで、1時間25分を消費。

じゃんけん大会!

「会長になってからの取り組み」が終わったところで、私は待ちきれず(すみません)「質問!」というと、髙尾氏は顔色を変えて「質問ではなくてじゃんけんをします」とおっしゃり、持参されたカプセルキー5個を賭けたじゃんけん大会のはじまり。

じゃんけん大会終了でちょうど15時。

質問タイム

ご清聴ありがとうございました、とご講演を締めくくった後、演台を指さし、「ご質問という声がありましたので、後ほどここで個別に伺います」とのこと。「なんでや」「みんなの前で受けられんのか」との声。

私は、演台に近づき質問しようとします。

山内: 今年のハムフェアの出展料が値上げになった件ですが、・・

高尾氏: ちょ、ちょっと・・、荷物置いてくるから・・・(荷物をまとめて退室)

(戻ってこないのではないかとの声もありましたが、まもなくお戻りになりました。)

高尾氏: 個別に伺いますよ。

ここでまず別の方が、演台で個別に質問。私は演台の近くで待ち、2番目に質問させていただきました。声が大きいので部屋中に響いていたかもしれません。)

山内: 今年のハムフェアの出展料が1.6倍になり、大騒ぎになっている。多くの方が、さすがに高すぎるので出展を取りやめようかといっている。値上げの前に、コストカットの議論をしていないのか。パーティションを見直すとか、会長のラジオのための防音ブースは要るのかとか、事前説明会をやめるとか、コストカットをしてから、出展者の皆さんに、申し訳ないけど値上げさせてほしい、とお願いするのが筋ではないか。

会長: いろいろ幅広く議論をした。ご意見としては伺う。

山内: いや、もう決めて出てしまっているのに。

高尾氏: だからご意見として伺う。

山内: ご意見として伺うという前に、では、ハムフェア実行委員会で話をしたのか。

高尾氏: もちろん。だから、ご意見として伺う。

山内: では、今回は大幅な値上げなので、理事会では意見を聞いたのか。理事会ではこの件は話題にならなかったと聞く。

高尾氏: ご要望としては伺う、以上。

山内: ご要望ご要望って・・・

高尾氏: だって、・・・ご要望として意見を承っちゃいけないのか。

山内: (苦笑)・・では、今回の法改正について。会長ご自身がアドバイザリーボードでプレゼンテーションをされたりしたことはよくわかった。だが、今回の改正はバラ色の話ばかりではない。

髙尾氏: それはそう。

山内: 体験局は廃止、記念局の大幅な削減、バンドプランは大幅に法制度から削除される。それをうけて、JARLとしてどうするのか。3月に官報に載れば、体験運用は誰でもできることになる。きちんと広報をしないと、ハンディ機を貸して「ほらCQ出してごらん」とやる人が出てくるかもしれない。これは違法。きちんと広報をする準備をなぜしないのか。

会長: ど・・どういう?(会場苦笑)。告示はこれからだ。

山内: 確かに告示はこれからだが、会長自身アドバイザリーボードに関わっていたのだから、改正の内容は知っていたのではないか。

高尾氏: いろいろ、だから・・ご要望として承る。

山内: いや。

高尾氏: 人の話を聞きなさい。

山内: 私、会長はいい人だと思うが、そうやって人の意見を聞かないのがどうかと思う。

高尾氏: だって、ご要望として承るしかないじゃないですか。

(会場から田中理事):そうじゃないでしょう。何もやってないからこうして文句が出る。我々は提案しましたよ。

高尾氏: 何もわかっていないでいわないでよ。(手を挙げているJJ2JIX後藤氏(JARL社員)を指し)後藤さんどうぞ。

後藤氏: 今日の話で、これからどうするか、何も聞こえてこなかった。今の話も、法体制が変わって、ではこれからどうするのかという話が何も聞こえてこない。会長はまだ答えを出してみえない。こうやるべきですよということをいうべき。でないと、みんなが勝手な運用をしたら違法になる可能性もある。今考えているともいわなかったし、やるともやらないともいわなかった。ぜひやっていただきたい。

山内: ひとつ大きな問題は、昨年11月の理事会で「体験局委員会の設置」が提案されたが会長はそれをつぶした。そのときに、会員増強組織強化委員会でやるといっていたのに、2月の理事会までに何もでてきていない。

高尾氏: それは、違うと思いますよ。

山内: 事実でしょう。

(会場から田中理事): 事実です。

山内: 何か違いますか。もっと正確に言えば、土曜日の時点では、委員会は必要だねと、会長を支持している理事も納得されていた。ところが、その日には採決がされなくて、一晩明けて日曜日の朝になってみたら、いつの間にか反対に回っていたという話。

髙尾氏: よくわからないなぁ。

山内: その理由は「会員増強組織強化委員会の尾形委員長がやる。」と言った。なのに、2月の理事会までにやってなかったという話。だから3月の施行に間に合わなかったんでしょう。

会長: ちょっと違う。

山内: では、どこが違うか教えていただきたい。

会長: 一方的におっしゃっている部分が違うんじゃないですか、といっている。

山内: 具体的にどこが違いましたか?

会長: いついつまでにやる、という約束を尾形さんがしたとおっしゃっているが、それはしていない。そこが違う。

山内: 約束をしてなかったとしても、3月の施行ということはわかっていたでしょう。これに間に合わせないと、皆さん違法運用しちゃうかもしれない。

後藤氏: 総務省も、JARLが広報をやっていただけるという話を言っている。

高尾氏: 今後ね。

山内: 今後でよいと思っていること自体が間違っていると思う。

髙尾氏: 1年後も今後だけど、何日後も今後だよ。

山内: 3月に施行されたと同時に広報できるように準備しないんですか。

髙尾氏: そこが・・そこがね・・

山内: 非常に残念。

髙尾氏: ただ、・・ご要望として承った。官報告示がどう出るのか、それも最終的に確認しなければいけない。

山内: 電波監理審議会を通ったものはまず変えられないですよ?

髙尾氏: 内容は、わかりませんよ。告示も出ていないんですから。

後藤: 今出ているものについて、作っておけますよね。準備しておいて、変わった部分があれば変えて出せばいい。

髙尾氏: だから、今後というのは、いろんな意味を含めているんですよ。申し上げられないけど。以上。(立ち去る)

感想

私たち会員が気づかない理由、お考えを、差し支えない範囲でご説明頂けるかと期待していたのですが、「要望として承る」ばかりで対話にならず、さすがに私も冷静さを欠いてしまったかもしれません。今振り返って猛省しています。

「告示の内容はわからない」とおっしゃる。話がかみ合わなかったのは、ひょっとすると髙尾氏は、パブコメにかかった告示案を読んでいないのかもとすら思わざるを得ません。

会員増強組織強化委員会やハムフェア実行委員会で議論したとおっしゃっていますが、それぞれの委員会は髙尾氏のペースで進み、委員の意見は通らないと聞きます。

会長職は、そこに座る人の「万能感」を満足させるためにあるわけではありません。髙尾氏も意固地にならず、もう少し人の意見をお聞きにならないと、JARLはますます迷走するばかりです。

(2023-03-20 記)

コメントを残す